酩酊珈琲

夜行性絵描きの雑記帳。

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君と獅子と極彩色


文化祭の美術装飾全般を統括させてもらっているのが私、
映像・写真の統括をしているのがぶどうなのですが

梅雨頃、ふと渡された提携作業絡みの手紙の中に一文。

「わらいおん歩いて欲しいなぁ❤」

奴がそう言ったのが
チョークの粉にまみれた一夏の幕開けでした。


チョークで描いたわらいおん(文化祭マスコットキャラクター)を
コマ撮りストップモーションアニメの要領で学校までの道を歩かせよう とのお話。

これまでなんやかんや色々描いてきたけども
映像系のお仕事は初めてだったのでふたつ返事で食いついた。
後先考えずにな…(それはもう遠い目)

HPのカット描いてるのもそれ故だけど なんせ高校最後の文化祭ですから
なにか大きなものをひとつ一緒に完成させて
データとして残る形に残したかった というのもあり。

作戦会議のようななんとなくわくわくする話し合いを繰り返し、
獏家⇒ぶどう家 の二泊三日で突貫作業しちゃおうか、という結論に。

夏休みに入って間もない頃 ふたりで小さな黒板とチョークを買った。

ごはんの材料買いにスーパー寄ったり
借りてきた邦画のDVDを珈琲飲みながらぼんやり観たり
一緒に台所立ったり 獏母も混ざってたこ焼きしたり
うとうとしてるぶどうを何枚かデッサンしたり
夜中に散歩がてらコンビニ行って缶コーヒー買ってきたり
ふたりには多すぎる手持ち花火を黙々と燃やしたり←
迷いつつも中野の中古カメラ屋さん行ったり

私と彼女のふたりだからこその至極ゆるゆるした雰囲気を楽しんだりもしたけれど、

結論。
地獄を見ました (爽やかな笑顔)

まずマスコットキャラクターの骨格に幾度も躓く。
尻尾がひまわりになっている、白い体に灰色のたてがみのライオンを描いて
わらいおん という(決してACの彼ではない)名をつけ
恥を忍びつつ全校生徒にお披露目したのは他でもない私なのですが

とにかく描きづらい。
垂れ目のソフトなドヤ顔(※可愛げはある)をキープしたまま
右に歩いたり左に跳んだり陰から顔を出したり寝転んだり…

ライオンの骨格って難しいんだね。
ストップモーション映像故に足を動かすところを逐一撮るから粗も目立つし。
奥に向かって歩いていくカットが一番の強敵でした(後日に後回した)

特にぶどう家での二泊目、深夜2時過ぎ頃
0時頃にうっかりノルウェイの森を観てしまってテンション引きずられたのもあり
おそろしく殺伐としてました。 睡魔こわい。
そのタイミングで林檎ちゃんの「修羅場」流れるし(実際笑った)
ねえねえほるぁ描けた!描けた!撮って撮って褒めてー!
なんて微笑ましく騒いでた一泊目の深夜はいったいなんだったのだろうか…

そしてお互い目もろくに開いてない3時過ぎ頃
ペンギンを数枚 なにかに取り憑かれたように(笑)一気に描ききって黒板をほうり出し
ねぎらいの言葉もそこそこに泥のように眠った。

…そういえば二日目の昼間
眠気がぶり返してきた気怠い雰囲気の中、彼女の部屋の窓からふと眺めた空が
あまりにも「夏の青空」だった事がなんとなく忘れがたい。
このひと夏で一番それらしい入道雲だった。


合宿(笑)を終えてふと我に返ると
いつの間にかひっそりと8月が始まっていた。

黒板とチョーク、それと彼女を描いたスケッチブックを仕舞った鞄を抱えて
エプロン姿で美術室と生徒会室の間の道を何度も走った。

夏休み中とは思えないような頻度(驚きの週3~4)で顔を合わせ
ちょこちょこと描き進め撮られ重ねて
お盆の過ぎたあるとき 最終の〆切を24日に決めた。

このあたりで線画抽出されたわらいおんが歩く、そのベースの映像が完成する。

再生したその瞬間に目が覚めた。

やはり私は彼女の写真がすきだと、
ここに私の絵を走らせたいと、

わけもなく心臓がばくばくして床をのたうちまわったのが記憶に新しいです←


後日 23日深夜。
スカイプの通話を繋いで再び突貫作業に取り掛かった。
今度は撮るのも私だった、切ないことに(笑)

ひとりで黒板を抱え込んで青いチョークをすり減らせていく。
合間で珈琲を淹れに台所へ立ったり
飽きたぁ、と数えきれないほどぼやいたり。

この一夏ですっかり聞き慣れた、
ヘッドセットの耳元から頭の中に直接響く、キーを叩く音と鼻歌にうとうとしながら
どうにか合計20数枚を叩きつけた。
模様まで逐一ごっそりと描き変えなきゃいけないキリンが難関だった(思い出し薄ら笑い)

翌日の美術室にて残り分を描き殴り進呈。
チョークの粉が手いっぱいにこびりつくぱさぱさした不快感ともお別れかなと思うと
僅かに、ほんの少し、ちょっとだけ、名残惜しかった。


…と、ひとが語弊無しでほんとに一夏捧げたっつうのに、
こいつはたったの二日後に抽出した線画全部動画に突っ込んで完成させやがったwwwww
なんなのこの理不尽な切なさ、どうしろっていうの(笑)

たまたま完成したとき 私は過労だかなんだかでものすごい時間爆睡していて(ゴメン)
文句言われつつ寝惚けたまま動画を受け取ったのだけども

カチリ、と再生ボタンをクリックしたその瞬間、
ああ、これは寝惚けた思考回路のまま観ていいものではないと悟って
顔を洗ってから缶コーヒーのプルタブを押して(←)きちんとPCに向き合った。


2分44秒間というものはあんなにも一瞬だっただろうか。
あんなにも一瞬で、同時にひどく長くて、濃いものだっただろうか。

BGMにはRADWIMPSの「君と羊と青」を使ったのだけれども
『君を見つけ出した時の感情が この五臓と六腑を動かしてんだ』
まったくもってその通りだなと思った。
私は文化祭ではなく、彼女のために、一夏右手を動かした。

相方がきみじゃなければこんなものは作れなかったよ。

町中を歩いていくわらいおんの後ろ姿に
美術室の石膏像の陰から出てくる獏(意図あり)に
和室のお茶碗から顔を覗かせる鹿、
体育館をぎこちなく歩くキリン(ごめんなさい雑だったww)、
はしゃいだ挙句すっ転ぶペンギンに
飛び跳ねて追いかけてくる羊と
ゆっくり尻尾を揺らす牛、

黒板で輪になっていく7匹を見届けてから、
すっかり短くなったチョークを傍目に
ぼたぼた泣きながらスカイプチャットを打ち込んだ。

こんなにも有意義な夏休みは、
この先ずっと、金輪際、もう訪れないと思うよ。



そんなこんなで8月が終わり。
夏休み最後の作業日に学校で右足を折り(笑)

このタイミングで松葉杖デビューしました。
佳境でアホほど心配と迷惑かけてごめんね後輩たち…(ふかぶか)

そして始業式の日、久々にクラスに行ってみれば
出席番号いっこ前の子までもが足折ってたという衝撃の事実。
新学期早々松葉杖使いがふたり机並べてるってどういうことだ。

おかげで妙な絆が深まったけどもね←
仲良くエレベーター乗ったり体育見学したりしてます。
松葉杖でゆっくり歩いてる美少女はいいものだ(私めっちゃ早く歩けてしまう)


そして学力テストに足掻き、潔く散り(泣いてもいいだろうか)、

もはや一桁となったカウントダウンボードの数字を毎朝ため息混じりにめくり、

放課後になる度目の色変えて美術室へ転がり込み、毎日エプロンと両手をペンキでひどく汚し、

2時間睡眠が普通になり、四六時中睡魔を連れ歩き、

数えきれない程の人たちに骨折と修羅場を心配する温かい言葉をめいっぱい浴びせかけてもらい、

予想してたとおりに腱鞘炎になった右手にまで包帯が巻かれ、

松葉杖さばきがいよいよ軽やかになってきた頃
とうとう文化祭当日を迎えた。

前日、遅くまで一緒に頑張ってくれた後輩のみんな、ありがとうね。
ayumuの缶コーヒーが相変わらず、ほんとうに嬉しかった。


講堂での礼拝のあとには、
夜でもないくせに、むしろ早朝だろ、と毎度心の中で突っ込んでいる前夜祭が始まる。

その一番最初に突如流すオープニング映像、
今この瞬間から文化祭が始まるんだぜ!テンション上げろ!と全校生徒に火を付ける役が
私とぶどうが一夏尽力して作り上げた、あの映像なのだ。

私がデザインした、実行委員おそろいのウィンドブレーカーに袖を通す。
講堂がふっと暗くなる。
礼拝後の講堂が一瞬ざわめき、ふっと静かになる。

時々確認をとるために映像を観ただけの私でも飽きるほど、
ぶどうはむしろうんざりするほど耳にし続けたであろうBGMのギターが静寂を破り、

気がつくと 自分でも驚くくらいの涙がぼろぼろと溢れていた。
目元を拭った右手の包帯はぐしゃぐしゃに濡れて、
ウィンドブレーカーのお腹に水滴がいくつも落ちていた。

巨大なスクリーン上で 彼女の作った映像の中を闊歩する私の描いた絵は
涙で霞んでよく観えなかった。

ただひたすら、全校生徒1000人あまりの歓声と熱気に圧倒されて、
鳥肌が止まらなくて、心臓のばくばくが収まらなくて、
プロジェクターの前に立つ彼女の小さな後姿に目をやった。
今すぐにでも抱き締めに走りたくなった。

私のクレジットなんてどこにもないというのに
興奮しながらすごいすごいと肩を叩いてくれた友達の笑顔が心底嬉しくて、

先輩が描いたんだよって自慢しちゃいました! とはしゃぐ後輩たちが愛おしくて、

感動して泣くかと思いました、って言ってくれた装飾パート員にまた涙腺を殴られて(笑)、

夕方まで何度も何度も、ほんとうに色んな人たちに褒められ続けて、


あまりにも幸せだった。

今はただ、早く彼女とふたりで話したいな、と思ってる。



文化祭二日目前夜の、深夜2時前。

もうひとつ深く考えるべきこともできたけれど
純粋に、高校生活最後の文化祭の、最後の日を楽しみにしているよ。

おやすみなさい。
ありがとうね。

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獏

Author:獏
珈琲と食事と睡眠がすき

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