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酩酊珈琲

夜行性絵描きの雑記帳。

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Category: 夢日記

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選ばれてしまった人間の話


こんなのは生まれて初めてかもしれない。
ひどく、不思議な夢をみた。




とある、小さな白い家。
壁紙が真っ白で、天井はすこし斜めで、
木枠が水色のペンキで塗られた正方形の窓からは浅く陽が差し込む。
そこにわたしは友人たちと暮らしていた、のだと思う。
朝には清潔にたたまれた衣類の中からどのシャツを着ようかと迷う。
バンドのライブTシャツのような、わたし好みのプリントシャツと黒いベストに袖を通した。

暗転。

とある、見知らぬ狭い部屋。
紙ナプキンが敷かれ、銀食器が行儀よく並ぶ、食卓を模された6人掛けの木の机。
わたしを含める6人は、運悪く「選ばれて」その席につくこととなってしまう。
わたしの大切な友人たちからは誰一人選ばれず、見知らぬ5人の男の子と同席していた。
平穏だった暮らしから一転して、それは死も同然の、絶望的な席だった。

6人を選んだのは幾人かの男性だった。組織かなにかだろうか。
顔も衣服も声も、なにも覚えていない。

席に着かされたわたしたちは、完璧に運任せとしかいいようのない拷問を受けた。
天井のスピーカーのような装置からガスが出てくる。
わたしは全く気付かず、口もとを抑え苦しむ3人ほどの同席者の様子からそれを悟った。
わたしはその「ガスで苦しむ」という拷問には選ばれなかったのだ。

ガスを吸った影響なのだろうか、
同席者のうちで恐らく最も年の幼い、一人の男の子が凶暴化してしまう。
椅子の肘かけが邪魔で、立ち上がるのは困難だったのだろう。彼は座ったままだった。
彼に鋭利なものを持たせてはならない、とわたしを含む同席者の皆で焦り、
卓上にあったフォークやナイフをかき集めた。

一見、カシスオレンジなどの甘いカクテルやジュースのようにも見える、
色とりどりの液体の注がれた細長いグラスが各自に配られる。
わたしの手もとに来たグラスには無色透明の液体が満たされていた。

飲んだら間違いなく苦しまなければならないのは明白だったけれども、
飲まないという選択肢は最早わたしたちに与えられていなかった。

なすすべもなく、恐る恐るグラスを傾ける同席者たち。
ある者は喉を掻き毟って苦しみ、ある者は口にした瞬間グラスを取り落した。
同席者たちが一人一人と拷問に選ばれていく。
グラスの割れる音。暴れる鼓動の音。わたしの恐怖心は最早限界にまで達していた。

死にたくない、あの家に帰りたい、と
震える手でグラスをそっと、机に置く。
衝動に突き動かされてドアへと駆け出すも、
恐怖に足のもつれるわたしが捕まるのには数秒もかからなかった。

逃げようとした罪としてわたしに与えられたのは
苦しむことでも死ぬことでもない。
「吸血鬼にされること」だった。

男性にアタッシュケースを手渡される。
諦めからふらつく指先で開くと、臙脂の布張りの上に、
空の注射器と桃色の薬が詰まった注射器が2本、丁寧に並べられていた。

注射器で血を抜いて、薬を入れることで吸血鬼になるのだけれど
それをやってもらう誰かを好きに選んでいいと。
そう告げられて、一瞬も迷うことなく彼女を指名した。
恐怖でどうにかなってしまいそうだったのに、彼女に手を下されると決まった瞬間
氷が溶けるように恐怖心が消えてゆくのがわかった。

外はすっかり夜になっていた。
わたしの小さな白い家は港のそばにある。
潮風の匂いを嗅ぎ、群青色の海をぼんやり眺めながら歩く。

薄暗い部屋で毛布に包まって眠っていた彼女を起こし、
つっかえながらも事情を話して注射器を握らせる。
泣かれるだろうと思っていたのに、早々と決心してくれた彼女はひどく落ち着いていた。

快諾された安堵から思わず涙がこぼれる。
わたしを安心させようと優しく振る舞いながら、
少しも震えない手つきでわたしの血を抜き、桃色の薬を注射した。
酷く痛かった。痛かったけれど、怖くはなかった。

組織の男が言うに、吸血鬼になると体のどこかが凍りついてしまうらしい。
それが右手にならなければいいね、変化が最小限で済むといいね、と。
吸血鬼とはひとの血を飲むイキモノだ。
血が必要になったら、わたしは恐らく彼女にまた頭を下げていただろう。

薬の効果だろうか、体がどくどくと火照り始める。
熱を冷ますために外に出て、海辺を歩く。
潮風に吹かれながら、体の一部が水色のつめたい氷に凍てつくさまを想像する。


そこで 目が覚めた。
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